2026年4月11日(土)、まつもと市民芸術館で開催された「PLAYFULSTARTUP信州」のプレゼン大会に登壇しました。今回はその内容と当日の様子をお伝えします。
目次
PLAYFULSTARTUP信州とは
「PLAYFULSTARTUP信州」は信州で起業・事業化を目指す人たちが長期間かけて事業アイデアを育て、最終プレゼン大会に臨むプログラムです。参加者は40代以上が中心ですが、今年は大学生の姿もありました。年齢も経歴もバラバラながらそれぞれが「自分の事業」に本気で向き合ってきた仲間たちが集まる場所です。
イベント概要
- 名称:PLAYFULSTARTUP信州 プレゼン大会
- 日時:2026年4月11日(土)
- 会場:まつもと市民芸術館
物語で伝えた事業:あなたの「できてるじゃん」発掘プログラム
発表は10分間、物語形式で行いました。聞いている人が追体験できる形式として物語は非常に有効だと感じています。
小学校のドッジボール。チーム分けでいつも最後まで残って、「まぁこいつでいっか」で選ばれる。クラスの中心にいる子たちを見ながら「どうせ僕なんて脇役だ」と思っていた。それは大人になっても変わらなかった。
主人公は木下大地くん、33歳の会社員。会議で気になることがあっても「どうせ僕なんかが言っても」と黙ってしまう。断りたくても断れない、褒められると素直に受け取れない。そんな彼がある日「あなたの『できてるじゃん』発掘プログラム」に参加することになります。
ワークショップの中で大地くんの「欠点」が少しずつ違って見えてきます。断れないのは「全体のことを先に考えているから」。空気を読みすぎるのは「場を正確に読める力があるから」。グループのメンバーからそう言われた時、大地くんはボソッと呟きます。
「あれ、僕って…意外とできてるじゃん?」 その言葉を口にした時、ちょっと泣きそうになった。
翌週の会議で大地くんは初めて「一点だけいいですか」と声を上げます。少し震えながらも言い切った言葉がチームを動かしました。
実は大地くんは、私のことでもある
プレゼンの後半、私はこう話しました。
「さっきの主人公、木下大地くんは実は私のことでもあるんです」
子どもの頃から体型のことをからかわれて「どうせ私なんて」が口癖になっていました。周りの雰囲気が気になると「気にしすぎ」と言われ、目立たないように生きることが当たり前になっていった。
変わるきっかけは子どもたちでした。「自信がなくて脇役が当たり前だと思っている母親を子どもたちに見せ続けていいのか」という問いが雷のように刺さったのです。
グラフィックファシリテーションと出会い恐る恐る対話会の進行役に挑戦した時、こう言われました。「参加者の小さな変化に気づいてくれたおかげで、より良い場になったよ」。ずっと「欠点」だと思ってきたことが役に立つと知った瞬間でした。脇役をやめる、はじめの一歩でした。

ライバルより仲間の場所
当日の発表者たちはそれぞれ全く異なる事業を持っていました。でも「ライバル」という言葉は浮かびませんでした。長い時間をかけて事業を育て合ってきた分、お互いの価値観や想いが言葉にしなくても伝わっている。仲間の事業を自分の事業のように思い入れを持って聞いていました。
発表で使ったプレゼン動画も昨年のプレゼンターの方、同期のメンバー、主催者の方みんなに協力してもらって作ったもの。一人では絶対にできなかった。
クロストークにも登壇しました
当日は参加者の中から私を含め3名がクロストークセッションに参加しました。
発表を終えた感想を聞かれて、まず出てきたのは「ホッとした」という言葉。実は私がトップバッターで、深く考える間もなく順番がきてしまったのである意味それが良かったかもしれません(笑)。
半年間のプログラムの中で印象的だったことについては、自分が持っている手法を前面に出そうとしていたところから考えを切り替えられたことをお話しました。グラフィックファシリテーションなどの手法はあくまで目的のための手段。自分がなぜそれを学び続けてきたのか、その理由や経験・想いにフォーカスした方が伝わるし自分が本当に伝えたいものだと気づいたことが大きな転換点でした。
プログラムの中に「壁打ち会」という場がありました。主催者のお二人と受講者1名で事業内容を深掘りしていく時間で、他のメンバーは聴講できるという形式です。この壁打ち会が事業づくりの核になっていて多くのアイデアがここで形作られていきました。
壁打ち会での気づきとして話したのがメンバーそれぞれの「ステージの違い」でした。私はワークショップを開催するために場所が必要になりますが、同期のメンバーには竹林活用を事業にされた方がいてすでに竹林という「場所」を持っていた。それがものすごいアドバンテージで、みんな同じように悩んでいるようでいてそれぞれ違うステージにいるんだということが印象的でした。また主催者の方やメンバーとの時間外の会話からも事業につながる大きなヒントをもらえることがありました。
これからチャレンジしたい人へのメッセージとして伝えたのは「仲間とともに歩む心強さ」のこと。1人だと視野が広がりにくい。怖くても一歩踏み出すと思いもしない景色が見えてくる。ぜひその一歩を踏み出してほしいと思っています。

発信しなければ、誰にも届かない
プランは何度も壁打ちを重ねて納得して当日を迎えました。練習もやり切った、あとは本番でやるだけ。そして当日に課されたもうひとつのミッションが「カメラ目線」。オンラインで視聴してくれている方もいるので原稿ばかり見て下を向いていては伝わらない。できるだけカメラに視線を投げるように!と言われていました(笑)。
物語形式で話し始めたら感情が乗りやすくて気がついたら10分が過ぎていました。思ったより緊張しなかったかもしれない。
今大会を通じて改めて気づいたのは、どれだけ温めていても発信しなければ誰にも届かないということ。「いつかやりたい」と思っていたことがプレゼン大会に出ることを決めた時に意図せず形になっていました。最初と全然違う形になったのに気づいたら「ずっとやりたかったこと」そのものになっていた。それが不思議でもあり、嬉しかった。
長い間付き合ってくださった佐竹夫妻、同期のメンバー、先輩プレゼンターの方々、ラボのみなさんに心から感謝しています。

「私なんて」と思ってしまいがちな人へ
もし今「私なんて」と思っている人がいたらこの言葉を届けたい。
自分が脇役の物語の中にいるのは実は自分自身が選んでいることかもしれない。物語は無限にあります。あなたにしか描けないあなただけの物語がある。
今の世の中は主役になれる人とモブキャラになってしまう人がいる。でもモブキャラなんていない。それぞれがそれぞれの場所やリズムで力を発揮できる場所を作っていきたい。それがずっと、私の願いです。

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